文明の起こり

人類のスタート地点からみていこう。 古い時代は記録が少ない。化か石せきや遺い跡せき、 わずかに残された文字をたよりにあれこれ推すい測そくしているけど、 新発見でそれまでの話がひっくり返さえることもある。 とりあえず現在の主しゅ流りゅうとなっている考えをおさえておこう。

人類のおこり

人類の特徴は 直ちょく立りつ二に足そく歩ほ行こう で歩くこと。自由になった手で道具を使うようになり、脳が発達して 火ひや言語げんご を使うようになったんだ。人類は猿えん人じん・原げん人じん・新しん人じんと進化してきたと考えられている。

• サヘラントロプス・チャデンシス別名トゥーマイ猿えん人じん。700〜600万年前アフリカに住んでいた。最古の人類ではないかとの説がある。
• ペキン原げん人じん中国の北ぺ京きんで発見された。石器や火を使用していた。
• ジャワ原げん人じんこちらはインドネシアジャワ島で発見。
• クロマニョン人じん新しん人じん。人類の直接の祖そ先せん。スペインのアルタミラ、フランスのラスコーで、洞窟の壁に人間や動物を描いた 洞どう窟くつ壁へき画が がみつかっている。🐃

やがて 石せっ器き時じ代だい が始まった。

• 旧きゅう石せっ器き時じ代だい石を打ち砕くだいて作った 打だ製せい石せっ器き を使用。狩りや採集が生活の中心で、食べ物をもとめて住むところを変える生活だった。
• 新しん石せっ器き時じ代だい石を磨みがいて作った 磨ま製せい石せっ器き を使用。農のう耕こうや牧ぼく畜ちくが始まり、ひとところに住み続ける定てい住じゅう生せい活かつになった。土ど器きも作られるようになった。

文明のおこり

農耕のおかげで農のう作さく物もつを保存できるようになると、貧ひん富ぷの差さ（持つ人と持たない人）がうまれる。次に身み分ぶんの差さ（偉えらい、偉えらくない）がうまれ、王おうや貴き族ぞくなどの支配する側と、農のう民みんや奴ど隷れいなどの支配される側に分かれていったんだ。

こういった支配の仕組みから国こっ家かが作られ、いつくかの文ぶん明めいが発展したんだ。

①エジプト文明

まずはナイル川流りゅう域いきに発展した エジプト文ぶん明めい 。

王様が大きな権けん力りょくをもっていて、 自分のお墓の ピラミッド やスフィンクスを作らせた。 このほか絵文字の 象しょう形けい文も字じ 、 太たい陽よう暦れき 、測そく量りょう術じゅつや天てん文もん学がくが発展したよ。

②メソポタミア文明

次はチグリス・ユーフラテス川沿ぞいに発展した メソポタミア文ぶん明めい をみてみよう。

この文明は都市を城じょう壁へきで囲み、大きな神しん殿でんを作らせていた。太たい陰いん暦れき、くさび形がた文も字じ、60進しん法ほうが作られたよ。1週間を7日としたのも特徴だ。

③インダス文明

現在のインド、インダス川の周まわりでおきた文明が インダス文ぶん明めい だ。

ここは都と市し遺い跡せきが残っている。 モヘンジョ・ダロとハラッパーだ。「原っぱ」じゃないぞ。 北ほっ方ぽう民みん族ぞくの アーリア人じん が侵しん入にゅうし、 厳しい身み分ぶん制せい度どを作った。 これはのちのカースト制せいにつながることになる。

④黄河文明

現在の中国、黄こう河がの流りゅう域いきでは 黄こう河が文ぶん明めい が発展した。

殷いん という王朝がおこり、甲こう骨こつ文も字じ を使い、青せい銅どう器き文ぶん化かも進んでいた。孔こう子しは 儒じゅ教きょう という教えを広めた。礼れいを説とき、親兄弟・君くん臣しんの秩ちつ序じょを大切にしたんだ。

これらの4つの文明は「4大文明」と呼ばれることもある。 共通する特徴をみてみよう。

1. 大たい河がの流りゅう域いき
2. 農のう耕こうや牧ぼく畜ちく
3. 文字の発明
4. 青せい銅どう器きの使用

これが文明がおこりやすい条件なんだね。中でも1の「大河の流域」が重要なんだ。

1. 大きな川が定期的にはんらん（氾はん濫らん）し、土地全体に栄養分が行きわたり、土ど壌じょうが肥ひよくになる
2. かんがい（灌かん漑がい）のための土木技術がすすむ
3. はんらんを予測する暦れき学がく、天てん文もん学がくがすすむ
4. 洪こう水ずいの後の土地整備に必要な、測そく量りょう術じゅつがすすむ

これは文明すすむのまったなし 😊

古代の世界

ここでは大きな動きをピックアップするよ。 まずは記憶の骨を作っておいて、あとから肉付けしていくのがコツ。🍖

地中海世界

• ギリシャポリスとよばれる都市国家ができて、直ちょく接せつ民みん主しゅ政せい治じが行われていた。哲てつ学がく、数学、医学が発展し、パルテノン神しん殿でんなどの神しん殿でんや、彫ちょう刻こくのような芸術も発展していた。ギリシャとオリエント（エジプト、メソポタミアをふくむ地域）の文化があわさって ヘレニズム文ぶん化か が生まれたよ。
• ローマ紀元前1世紀に地中海世界を統一し、そのあと1500年近く続く ローマ帝てい国こく がうまれた。水道が整備され、ローマ法ほうができ、ローマ字が使われていた。剣けん闘とう士し（グラディエーター）とよばれた戦士や、猛獣を戦わせる闘とう技ぎ場じょう（コロッセオ）が作られ、人々は熱狂していたようだ。⚔

古代の中国・朝鮮

• 秦しん始し皇こう帝てい が中国を統一した。貨か幣へい、文も字じ、ものさしを統一し、北ほっ方ぽう民みん族ぞくの侵入を防ぐために 万里ばんりの長城ちょうじょう を作らせた。
• 漢かん第7代武ぶ帝ていのころに最さい盛せい期きをむかえ、中央アジアからベトナム北部、朝鮮半島北部におよぶ大帝国となった。東西交流の道として シルクロード（絹きぬの道みち） が使われた。
• 高こう句く麗り紀元前後に朝鮮半島を統一した。

宗教のおこり

人類の歴史に大きな影響をあたえた3大宗教をまとめておこう。

• 仏ぶっ教きょう紀元前6世紀ごろにインドの シャカ によって説かれた。人はみな平等で、さとりを開けばだれでも苦しみから救われるという考え方だ。東南アジア・中国・朝鮮・日本と、広くアジアに伝わった。
• キリスト教きょう1世紀にパレスチナで イエス が神の愛を説いた。神を信じるものはみな救われるという考え方。新しん約やく聖せい書しょにまとめられ、ローマの国教となったのちにヨーロッパ中に広まった。
• イスラム教きょう7世紀はじめ、アラビア半島のメッカで ムハンマド によって始まった。唯ゆい一いつ神しんアラーを信しん仰こうし、コーランを経きょう典てんとする。東南アジアから北アフリカにかけて広がった。