室町時代
足利尊氏が征夷大将軍に任命され、 15代足利義昭が織田信長によって追放されるまでの230年ちょっとを 室町時代 という。京都の室町に幕府があったんだ。
室町幕府と南北朝
後醍醐天皇の倒幕運動がうまくって、鎌倉幕府が滅んだ。 どうなったかというと…
- 建武の新政後醍醐天皇 による公家中心の政治。武士の不満もあってわずか2年で終わってしまった。
ここでなんと朝廷が2つに分かれてしまう。 京都の北朝に対抗して、 吉野(奈良県)で後醍醐天皇が南朝を開いたんだ。 以降60年弱、北朝・南朝から天皇が出る、混乱の時期が続いたんだ。室町時代の前半は、南北朝時代 でもあるんだね。💔
- 室町幕府1338年、足利尊氏は北朝から征夷大将軍に任命され、幕府を開いた。
- 守護大名守護は、地頭や新しく出てきた武士をしたがえ、より強力な守護大名になった。室町幕府のナカミは有力な守護大名の連合政権だった。
守護大名をふくむ国内の武士が、 南北朝のあっちの味方したりこっちの味方したりして戦乱が続いたんだけど、 1392年室町幕府3代足利義満のときに 南朝が北朝に吸収されて一段落したよ。
東アジアの動き
お隣の中国や朝鮮との間にもいろいろあった。
- 倭寇西日本では中国や朝鮮との交易活動が盛んだったんだけど、海賊を行うものが出て、中国や朝鮮の沿岸を荒らしたんだ。室町幕府の3代足利義満はこれを禁止したよ。
- 明このころ中国では元のモンゴル民族を北へ追いやり、漢民族の明が建国された。
- 勘合貿易日本と明が行った貿易。商売相手を確認するために、勘合という合い札を使ったことからこう呼ばれる。
- 朝鮮国朝鮮半島では李成桂が高麗を倒して、朝鮮国を建国した。ハングル文字を作ったよ。
- 琉球王国今の沖縄。15世紀に尚氏が建国。東アジア、東南アジアを結ぶ中継貿易で栄えた。
戦国時代
室町時代の半ばに応仁の乱がおきて、 そこから100年間、大名(守護大名)が天下を取り合う 戦国時代 に突入するんだ。
- 応仁の乱1467年、日本を二分しての大きな内乱がおきた。きっかけは8代将軍足利義政のあとつぎ問題だったんだけど、有力守護大名の山名氏、細川氏を巻き込んで、どんどん大きくなってしまった。戦乱で京都は焼け野原になってしまった。
- 下剋上下の者が上の者を実力で打ち負かす風潮のこと。オレのほうが偉いから大丈夫とか油断していると、ズバっとやられちゃう。
- 戦国大名戦国時代、下剋上 あたりまえの世の中で、実力で領地を勝ち取って支配する大名のことだ。有力大名には中国地方の安芸(広島県)を拠点とした毛利氏、甲斐(山梨県)の武田氏、関東を拠点とした北条氏などがいた。
- 分国法戦国大名が戦いにまつわるあれこれを定めた法律。
- 城下町大名のお城を中心としたまちづくりがひろがった。
室町時代の生活
①室町時代の産業
戦国時代でうかうかしていられない世の中だけど、産業もかなり発展したよ。
農業は二毛作や牛馬耕が広がり生産性がアップ。商品作物として麻、茶、くわ、あいなどを作るようになった。 また、地方の特産物がふえた。絹織物(西陣、博多)、酒、陶器(瀬戸)などがある。
商業は定期市がひらかれ、明銭や宋銭が使われていた。
- 問丸問 と呼ばれることもある。船で物資を運送し、港町で保管・管理などをおこなった。🚢
- 馬借こっちは陸送。馬で荷物を運ぶ。🐴
- 土倉金貸し。もともとは倉庫の商売。
- 酒屋金貸し。本業は酒屋さん。🍶
- 座同業の組合。商売を独占して自分たちを守るんだ。
いろいろなタイプの町もできてきた。
- 城下町城の周りにつくられた町。小田原(後北条氏、神奈川)、山口(大内氏、山口)、駿府(今川氏、静岡)などがある。
- 門前町大きなお寺の門前に作られた町。長野の善光寺などがある。
- 港町港のまわりにつくられた町。堺(兵庫県)など。
京都では有力な商工業者があつまって 町衆 として自治を行うこともあったよ。
②農村の変化
農村では農民の団結がすすんだ。
- 惣村惣 と言われることもある。村ごとにつくった自治を行う集まりだ。寄合 でいろいろなことを話し合って決めていた。山野や用水の使い方、村の決まりごとなどを決めていたようだ。
- 土一揆「つちいっき」と言われることも。農民が団結し領主に反抗し、年貢を少なくしてくれとか、徳政(借金をなくしてくれ、減らしてくれ)などを要求するんだ。
一揆は追い詰められた農民の最後の手段。原因や要求する内容もいろいろあったようだ。
- 山城国一揆山城国(京都)であらそっていた守護大名の軍勢を、国人という地侍が加わった一揆が追いはらい、自治を行った。
- 加賀一向一揆加賀(石川県)で一向宗(浄土真宗)のお坊さんたちが守護大名の富樫氏を滅ぼし、100年近く自治を行った。
③室町文化
室町の文化の特徴は公家と武家の文化の融合、そこに禅宗の影響が加わったことだ。前半は北山文化、後半は東山文化とよばれる。
- 北山文化3代足利義満が建てさせた 金閣 がその代表だ。公家、武家の文化の融合がみられた。
- 東山文化8代足利義政が建てさせた 銀閣 がその代表だ。簡素だけど深みのある味わいが特徴。
- 書院造禅宗のお寺の様式。たたみ、 障子、ふすま、床の間があるのが特徴。
- 水墨画墨で描かれた絵。雪舟 という禅宗のお坊さんが、いろいろな地方へおもむいて描いたものが残っている。
- 芸能平安鎌倉時代には田楽、猿楽が人気があった。世阿弥 が猿楽を発展させて 能 と 狂言 を作った。
- 茶の湯茶を点てて人にふるまう儀式が盛んになる。茶道。🍵
- 生け花花を生けて鑑賞する芸術が確立した。華道。🌷
- 連歌多人数で五七五七七の歌のやり取りを続けることだ。戦国大名の間では大切な教養とされたらしい。戦に強いだけじゃダメなんですね。
- 御伽草子絵入りの短編物語。「浦島太郎」や「一寸法師」も入っている。人びとに広がったよ。絵が入ると楽しいよね。
中世の世界
飛鳥時代から室町時代にかけて、世界では何が起こっていたんだろう。 ここでは大きなイベントをピックアップしていこう。 まずは記憶の骨を作ってから肉付けするのがコツ。🍗
①イスラム世界
7世紀のはじめにメッカの商人 ムハンマド が、 3大宗教の1つである イスラム教 を創始した。 ムハンマドのあとをついだ者たちが、 イスラム帝国という大帝国を建設したよ。
ここで悲劇がおこる。 イスラム教とキリスト教の両方にとって、 エルサレム(現在のイスラエルにある)という場所が、 聖地なんだ。 ここがイスラム帝国の領土となったため、 キリスト教側(ざっくりいうとヨーロッパ)が取り返そうとして、 長い争いになった。
- 十字軍キリスト教世界による聖地エルサレムの回復運動。11世紀から13世紀の200年間にわたって、7回の遠征が行われた。🗡🛡
この遠征は失敗におわり、キリスト教会とローマ教皇の衰えをまねいた。
②ルネサンスと宗教改革
キリスト教がローマ帝国の国教になってから、 ヨーロッパでは新しい文化がうまれにくくなっていた。 それでも15世紀、 文学、絵画、建築をはじめとするいろいろな分野で、 新しい動きがおきてきた。
- ルネサンス「再生」を意味する言葉。古代のギリシア・ローマ時代の芸術や文化を通じて、人間とは何かを見直す動きがおこり、人びとの個性が尊重されるようになった。
ルネサンスによって科学も発展した。火薬、羅針盤の改良がすすんだ。活版印刷によって本が安くなり、聖書や文芸・科学などの本が出回るようになったよ。
ルネサンスをきっかけにキリスト教にも変化があったんだ。 ローマ教皇が大聖堂改修のお金集めのために、 免罪符を発行した。 これを買えば罪が軽くなるというものだ。
- 宗教改革 ルター(ドイツ)やカルバン(スイス) が、免罪符でお金を集める教会のあり方を批判。もともとあったカトリック(旧教)から プロテスタント (新教)が分かれて、2つの教派の間で宗教戦争となった。
- 反宗教改革大きくなるプロテスタントに危機感をもったカトリックは、腐敗がひどいカトリック教会のあり方を正すために、改革をおこなった。
反宗教改革で中心となって活動したのがイエズス会。このあとキリスト教を布教するために、日本にやってくるぞ。
③大航海時代
やがて船で世界中をめぐる大航海時代がやってくる。 15世紀、ヨーロッパからアジアへ向かう地中海・アラビア半島などの貿易路は、 イスラム商人に独占されていた。 香辛料などアジアの特産品を求めて、新しい航路を切り開いていったんだ。 活躍した人たちをみてみよう。
- コロンブス1492年、太平洋を横断し西インド諸島に到達。到着地点は北アメリカ大陸だったんだけど、当初の目的地のインドだと勘違いして、西インド諸島って名前をつけちゃった。
- バスコ・ダ・ガマ1498年、喜望峰(アフリカ大陸南端)経由でインドに到達。
- マゼラン1522年、マゼランの艦隊がついに、史上初の世界周航を達成した。マゼラン自身はフィリピンで戦死してしまったんだけど、あとをひきついだ部下が達成したよ。
たどりついた新大陸の国々と、ヨーロッパの間で交易や争いが始まった。ポルトガルはアジアに進出し、東方貿易 を独占した。スペインは南アメリカなどの新大陸に進出し、アステカ帝国、インカ帝国 を征服した。16世紀末に、ちょっとおくれてオランダやイギリスも海外へ進出しはじめる。
日本の戦国時代はそんな時期だったんだ。 さあ、日本にヨーロッパの船がやってくるぞ。
室町時代のおわり
戦国時代に日本におとずれたヨーロッパ人が伝えたもの。
- キリスト教ついに日本にもキリスト教が伝来した。イエズス会を作ったメンバーの1人でもあるフランシスコ・ザビエルが来日し、布教したんだ。民衆にも広がり、キリスト教に改宗したキリシタン大名もうまれるよ。
- 鉄砲種子島(鹿児島)に漂着したポルトガル人から、鉄砲が伝来した。
鉄砲で戦のあり方が大きくかわってしまった。それまでは「強い武士がたくさんいる=強い軍」だったんだけど、鉄砲があればでズドンで終わりだからね。近江(滋賀)などで国内生産がはじまって、戦国時代の国内統一がはやまったんだ。
外国との商売も盛んになったよ。
- 南蛮貿易ポルトガル・スペインとの貿易。平戸 や 長崎(両方とも長崎県)が拠点となった。
戦国時代、有力な大名がはげしい領土の取り合いをしている中で力をつけてきたのが 織田信長 だ。このころは足利氏に力はなく、三好氏が実権をにぎっていたんだ。信長は室町幕府15代将軍足利義昭を立てて京都に入り、室町幕府の力を一時的に復活させた。でもそのあと義昭を追放して、ここで室町幕府は終わってしまったんだ。


次はノーヒントをめざそう!
問題 | 採点 | 問題 | 採点 |
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第 1 問 | ○ × | 第 6 問 | ○ × |
第 2 問 | ○ × | 第 7 問 | ○ × |
第 3 問 | ○ × | 第 8 問 | ○ × |
第 4 問 | ○ × | 第 9 問 | ○ × |
第 5 問 | ○ × | 第 10 問 | ○ × |
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