奈良時代
奈良の平城京に都が移された710年から 京都の平安京に都が移される794年までを、 奈良時代 とよんでいるよ。 中国の唐にならって大きな都をつくり、 税を集める制度などもできて、 国としての土台がととのった時期だ。
奈良時代の政治
① 平城京
710年、奈良に都を移して(遷都)、 平城京 を作った。 方眼紙のような区画が特徴的で、たくさんのお寺があったよ。 また、唐にならって 和同開珎 という貨幣が作られて、都の市で使われた。
② 戸籍の作成
6年ごとに戸籍を作って、 どこにどういった人・家族が住んでいるのかをおさえたんだ。
③ 税と労役
奈良時代の人々には税(ものを納める)、 労役(働いて納める)などの負担があった。 税としては租・庸・調を納めていたよ。
- 租収穫の3%の稲を納める
- 庸都での労役(はたらくこと)の代わりとして、麻布を納める
- 調絹、糸、綿、布など、地方の特産物を納める
これらの税を納めるだけではなく、以下の労役もやらされていた。
- 雑徭1年に60日内、地方のために働く
- 兵役兵士として働くこと。1年間、都で衛士として警備、3年間、北九州で 防人 として警備
普段は農民として田んぼで働いて、 ときおり兵士として遠く都や九州までかり出されて、 これは間違いなくキツいよね… 案の定、農民はかなり逃亡してしまって、 農民に放置された田んぼ(口分田) が荒れて不足していったんだ。
土地制度
奈良時代は土地制度にいろいろと変化があったぞ。
- 班田収授法戸籍にもとづいて 6歳以上の男女に 口分田 とよばれる田んぼを与えて稲を作らせた。口分田は死んだら返す決まりだった。
- 三世一身法やがて、人口が増えたり農民が逃亡して荒れるなどして、口分田が足りなくなってきた。新しい田んぼ作りをすすめるために(開墾の奨励)、自分で作った田んぼは三代(おじいちゃん、お父さん、子ども)に渡って返さなくていいという法をつくったんだ。
- 墾田永年私財法それでも農民は田んぼを作ってくれない。どうせ取られる田んぼだから。しようがないのであなたが作った田んぼはずっとあなたの家のものですという法ができたんだ。
農民は食べ物を確保して生活を安全にするために田んぼを増やしていった。 こうやってできた田んぼがこのあとの荘園につながるんだよ。
遣唐使
唐のすぐれた文化や制度を学ぶために、 遣隋使に変わって 遣唐使 が派遣された。 留学生や留学僧を数多く送ったんだ。 中には唐から日本にきて帰化した人もいた。 遣唐使にたずさわった人々をみてみよう。
- 空海留学僧の一人。日本に帰ってから真言宗を広めた。
- 最澄これまた留学僧の一人。日本の帰ってから天台宗を広めた。
- 鑑真この人は日本人じゃなくて、唐の高僧(えらいお坊さん)だよ。大変な苦労をして日本にやってきてくれたんだけど、失明してしまった。日本で唐招提寺を開いて仏教の発展につくしたよ。
留学生や留学僧はエリートばかり。 だけど当時は舟は小さいし航海技術は未熟だった。 舟が沈んだり海賊に襲われたりして 帰ってこれないことも多く、文字通り命がけの旅だったんだ。 阿倍仲麻呂のように、帰りの船が難破して最後まで日本に変えることができなかった人もいたんだ。
天平文化
奈良時代は遣唐使がもたらした文化や仏教の影響を受けた、国際色豊かな 天平文化 が栄えた。 この時期の天皇は 聖武天皇 だ。 当時は貴族の間での争いや天災がたえなかったため、 仏教の力でこれらの災いを鎮めようとして(鎮護国家)、 都や地方にお寺や仏像をつくらせたんだ。
- 東大寺まず都に大きなお寺を建立(お寺を建てること)させた。
- 国分寺・国分尼寺そして日本全国にもたくさんのお寺を建てさせたんだ。
- 東大寺大仏そして東大寺に、大きな大仏を作らせた。
その他、天平文化を代表的する建物として次のものが有名だ。
- 正倉院聖武天皇の遺品などがおさめられている。
この時期にまとめられた歴史書や歌集をみてみよう。
- 古事記・日本書紀神話や伝承・記録をまとめた。
- 風土記地方の国ごとの神話・産物・伝説などがまとめられている。
- 万葉集歴代の天皇をはじめとして、柿本人麻呂、大伴家持などの貴族から、農民や防人まで、さまざまな人々の歌がまとめられている。日本最古の歌集だ。
歴代の天皇の命令によって、 それまで口伝えでしかなかった古いお話や歌が、 しっかりと紙に書かれて記録されるようになったんだ。


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問題 | 採点 | 問題 | 採点 |
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第 2 問 | ○ × | 第 7 問 | ○ × |
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第 4 問 | ○ × | 第 9 問 | ○ × |
第 5 問 | ○ × | 第 10 問 | ○ × |
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